穐月明「帆船文壺」と高麗美術館

先日京都市北区にある高麗美術館を訪問しました。

高麗美術館の展示室に入ると正面に「鉄砂帆船魚文壺」が迎えてくれますが、その上に鏡に映したように穐月明の「帆船文壺」の絵が飾られています。

鉄砂帆船魚文壺

高麗美術館「鉄砂帆船魚文壺」と穐月明「帆船文壺」の展示風景

上田正昭先生や司馬遼太郎先生との交流の資料の真ん中に飾っていただけるという大変名誉な展示をして頂きました。

高麗美術館の石獣「羊」:当館と同様の羊が迎えてくれます。向かい合わせに置くのが朝鮮式です。

高麗美術館の石獣「羊」:当館と同様の羊が迎えてくれます。向かい合わせに置くのが朝鮮式です。

今、高麗美術館は今年三十周年を迎えるに当たり記念特別展「鄭詔文と高麗美術館」として選りすぐりの名品を展示されています。朝鮮美術は端正で精緻な美しさだけでは無くひょうきんで愛らしい温かさがあります。それは「鉄砂帆船魚文壺」に代表される民間の作品だけでなく宮廷芸術にも感じることができす。
一切の妥協を許さない厳しさを良しとしがちな日本の工芸や美術に対し穐月明はその辺に魅力を感じていたように思います。

李氏朝鮮の仏像:当館展示中の如来像ですが、とてもかわいらしく、優しい表情をされています。

李氏朝鮮の仏像:当館展示中の如来像ですが、とてもかわいらしく、優しい表情をされています

今回、高麗美術館30周年館報に穐月由紀子のインタビュー記事「墨絵 帆船文壺について」が掲載され、夫 穐月明と高麗美術館創設者 鄭紹文さんとの出会いが語られています。

今回その「帆船文壺」の飾られている高麗美術館に本人を連れて来たく訪れたのです。穐月由紀子は高麗美術館開館当時何度か来たことがあり、大変良く覚えておりました。展示されている作品も熱心に見ていて覚えている作品もあったようです。やはり昔から「李朝」に接していただけあって見識はさすがと思いました。

展示を担当された鄭喜斗先生と穐月由紀子:高麗美術館の朝鮮式庭園で取らせてもらいました。

展示を担当された鄭喜斗先生と穐月由紀子:高麗美術館の朝鮮式庭園にて。

展示を担当された鄭喜斗先生には大変歓迎して頂き感激でした。
朝鮮美術の神髄、皆様も是非見に行ってください。

「高麗美術館」は京都市北区紫竹上岸町15にあります。

*当館のモミジもうっすら色付き始めました。

茶室の楓が薄紅葉になりました

茶室の楓が薄紅葉になりました