開館10周年特別展「大観 玉堂 龍子〜近代日本画三大巨匠」

2025/11/14㈮〜12/15㈪

ごあいさつ

 伊賀市 ミュージアム青山讃頌舎は、前身の青山讃頌舎美術館を水墨画家 故 穐月 明が開館してから10年となる記念の年を迎えました。この期間に多くの方に支えられ、様々な展覧会を通じて、たくさんの来館者にお越しいただき、皆様に愛され、親しまれるミュージアムとして現在に至ることに深く感謝を申し上げます。
 この度、公益財団法人岡田文化財団、パラミタミュージアムのご協力のもと、開館10周年記念特別展「大観・玉堂・龍子-近代日本画三大巨匠-」展を開催する運びとなりました。

 近代日本画を代表する三人の画家、横山大観(明治元年-昭和33年)・川合玉堂(明治6年-昭和32年)・川端龍子(明治18年-昭和41年)。彼らはそれぞれ異なる活動の場を持ちながらも、互いに交流し刺激を与えながら、三者三様の画境を切り開きました。
 大観は日本美術院において、「朦朧体」などの技法や表現を探求し、日本画の近代化を推し進めました。
 玉堂は官展を中心に活躍し、伝統的な画法を基礎としつつ新たな日本画の表現を確立し、自然への深いまなざしによる風景画を描き続けました。
 また、龍子は青龍社を創立し、大画面による表現で、従来の「床の間の絵」としての日本画から開かれた公共の芸術へと切り拓きました。
 本展では、新しい時代に即した日本画を模索し、その近代化に大きく寄与した大観・玉堂・龍子の作品とともに、明治以降の日本画の歩みをお楽しみください。              

公益財団法人伊賀市文化都市協会

●ギャラリートーク
作品の解説を交えながら、近代日本画三大巨匠について説明いただくギャラリートーク
 日 時 11/16日 13:30〜
 会場 展示室
 講師 衣斐唯子(パラミタミュージアム学芸員)
 定員 先着 20名程度(予約制)

●茶室「聴樹庵」で紅葉と「茶」を嗜む 
茶室「聴樹庵」の庭全体を覆う美しく色付いたいろは紅葉の下で気ままにお茶を一服召し上がれ。
日 時 11/15㊏・22㊏・24㊊振・29㊏
   10:00~ ②11:00~ ③13:00~ ④14:00~
呈茶代 400円(お抹茶・お菓子)
会場 茶室「聴樹庵」 定員 各回先着 12名(予約制)
「お申込み・受付]青山ホール電話 0595-52-1109にて申込受付

明治の日本画革新運動

明治維新によって欧米の制度や技術とともに西洋美術が流入してきた。
当時の日本には、近代的な意味での「芸術」という概念がまだ十分に根付いておらず、絵画と工芸の区別は曖昧であった。
アメリカから来日したアーネスト・フェノロサは日本美術の価値を高く評価し、岡倉天心とともに、西洋絵画に対抗しうる近代的な「日本画」の創造を目指した。
彼らは、西洋絵画の写実性や立体感を学びながら、日本画の線描・明暗・色彩表現を改良し、精神性と奥行きを備えた新しい絵画を模索していた。
横山大観、川合玉堂、川端龍子は、こうした流れの中でそれぞれ独自の道を切り開き、日本画の新しい地平を築いた代表的な作家と言える。
三人は異なる方向で活動しつつも交流があり、晩年には「三巨匠展」を開催。「雪月花」「松竹梅」といった主題を設け、昭和27年から6年間にわたって玉堂が亡くなるまで続けられた。

横山大観の展示

横 山 大 観
Yokoyama Taikan

1868年~1958年(明治元年-昭和33年)
茨城県出身。本名秀麿
文化功労者、文化勲章、朝日文化賞、勲一等旭日大綬章受章者
岡倉天心の指導を受け、日本画の新しい表現を切り開き近代日本画を先導した日本画革新の中心人物。

明治22年東京美術学校に第1期生として入学、当時の校長 岡倉天心や教授 橋本雅邦の熱心な指導を受けた。
明治31年、岡倉天心が中心となった日本美術院設立に参加、岡倉天心が主導した近代日本画の革新に尽力し、菱田春草らと共に日本画の新たな表現を開拓し日本画壇を牽引していく存在となっていく。最もよく知られているのは「朦朧体」と呼ばれる技法で、岡倉天心から空気を表現するというテーマを出され、従来の輪郭を描き彩色する技法から、輪郭を廃し、色のぼかしによって空気感を表す新しい画法を生み出した。その後も日本美術院で更なる工夫を重ね戦後に至るまで日本画壇の重鎮として活躍し続けた。
また、強い愛国心の持ち主だった大観は1500点にもおよぶ富士山を描いたとされる。
昭和12年に文化勲章が制定され、近代日本画の発展に大きく貢献したとして最初の受章者となる。

代表作に「無我」「生々流転」「雲中富士」「瀟湘八景」などがある。

横山大観「神国日本」 パラミタミュージアム蔵

「神国日本」横山大観

愛国精神に溢れていた大観にとって、富士は神国日本の精神を象徴的に示す重要な題材であった。特に戦前から戦中にかけて国威発揚の風潮とあいまって多くの富士を手がけたが、タイトルから考えてこの頃の作品と考えられる。
神々しい雲海が広がる中に純白の冠雪が映え、濃い色で描かれた峰のコントラストが美しい。
大観は戦後も富士を描き続け生涯に1500点にも及ぶとされ、絶筆も「不二」であった。

晩年新聞インタビューで、「富士の美しさは季節も時間もえらばぬ。春夏秋冬、朝昼晩、富士はその時々で姿を変えるが、しかし、いつ、いかなる時でも美しい。それは、いわば無(果てしなさの意)の姿だからだ。私の芸術もその無を追う。私はなおこれからも富士を描きつづけるだろう」と語っている。

横山大観「生々流転(レプリカ)」伊賀市蔵
原本 大正12年第10回院展出品作品 重要文化財
絹本墨画、画巻、東京国立近代美術館蔵

「生々流転」横山大観

全長40メートルにもおよぶ水墨で描かれた長大な絵巻物。
天から降った雨の一滴が集まって渓流となり、川へと成長し、さらに大河になって大海に注ぎ、最後には飛龍となって天に昇る。その間、鹿や猿などの生きものや舟などが描きこまれ、流転する水の一 生が描いている。「生々流転」とは「万物は永遠に生死を繰り返し、絶えず移り変る」という意味で、天に昇った龍は再び雨の一滴となって新たな一生を送るという大観の禅的世界観が読み取れる。
大観が長年研究してきた水墨表現の集大成であり、再興第10回日本美術院展の出品作。展覧会初日に関東大震災に見舞われながらも、無傷で回収されたという逸話をもつ。
現在、重要文化財として東京国立近代美術館に収蔵されている。

川合玉堂の展示

川 合 玉 堂
Kawai Gyokudou

1873~1957年(明治6年-昭和32年)
愛知県出身。本名芳三郎
文化功労者、文化勲章受章者
フランス政府よりレジオン・ドヌール勲章、ドイツ政府から赤十字第一等名誉章授与

明治6年に愛知県の現在の一宮市に生まれ、幼少期から絵に対する頭角を現す。14歳のときに京都に移り、その時から円山・四条派に学び、写生を重んじる伝統的日本画の技法を身に付け、17歳にして第3回内国勧業博覧会に出品して早くも入選を果たしている。
明治29年、橋本雅邦の「龍虎図」に感銘を受け東京に移住、橋本雅邦に師事し設立時の日本美術院に参加。しかし線描を研究していた玉堂は、朦朧体による色彩表現を追求していた横山大観らとは方向性を違え、日本美術院から離れていく。
大正4年からは東京美術学校日本画科教授、大正6年には帝室技芸員に任じられ、日本画壇の中心的存在の一人。

 画風は四条派の柔らかな写生表現に、狩野派の精神性と構成力を融合させ、美しい墨線と彩色で四季の山河とそこに生きる人々や動物を描き、叙情性豊かな風景画を生み出した。
晩年は東京の西多摩郡三田村御岳(現在:青梅市御岳)に疎開し、その地の自然を愛し続けた。

川合玉堂「麦刈る水車場」昭和26年頃 パラミタミュージアム蔵

「麦刈る水車場」川合玉堂

純朴な詩情あふれる風景画に独自の境地をひらいた川合玉堂らしい作品。
円山・四条派を基礎とした写生を、狩野派に学んだ巧みな水墨の筆線で表し、落ち着いた色調のグラデーションで彩色することで、空気感まで感じられる豊かな情景を生み出している。そこに生きる人々の営みが、自然と一体となって情感たっぷりに描かれている。

川端龍子の展示

川 端 龍 子
Kawabata Ryushi

1885~1966(明治18年-昭和41年)
和歌山県出身。本名昇太郎。
文化勲章受章者
3人の中では最も若く横山大観・川合玉堂と10歳以上離れている。

明治28年、10歳の頃に家族とともに東京へ転居。18歳で読売新聞社が公募した「明治三十年画史」に入選をきっかけに本格的に画家を志す。当初は白馬会絵画研究所および太平洋画会研究所に所属して洋画を学んでいたが、洋画を学ぶために渡米したボストン美術館で鎌倉時代の絵巻物『平治物語絵巻』などに感銘を受け、日本画に転向した。
独学で日本画を習得した龍子は、4年という早さで大正6年に横山大観率いる日本美術院同人となる。しかし、室内で鑑賞する繊細で優美な「床の間の芸術」としての日本画が好まれていた当時、龍子の激しい筆致は一部から批判を受けた。
その後、昭和3年に日本美術院同人を辞し、自ら「青龍社」を創立。大画面の作品によって、従来の“床の間の絵”から公共空間にふさわしい“会場芸術”としての日本画を提唱し、独自の道を歩んだ。
規格外のスケールと大胆で豪快な表現の革新的な作風は、今もなお魅力に満ちている。

川端龍子「雷神」 パラミタミュージアム蔵

「雷神」川端龍子

この作品には激しい色使いと筆致による、従来の日本画にはない斬新な表現が見られる。
龍子はもともと洋画家を志しながら、生活のため出版社で挿絵を描いた時期がある。
この作品の斬新さは洋画家を志した経験に由来する新感覚と、挿絵で培った造形感覚が反映されていると考えられる。また、尾形光琳を研究していたことでも知られ、本作もその主題への敬意を込めた作品とみられる。
日本美術院同人を離れ、「会場芸術」を掲げて青龍社を創立した龍子の、革新性と迫力をよく示す一作。

川端龍子「書 簡 帖」 パラミタミュージアム蔵

「書 簡 帖」川端龍子

川端龍子の書いた葉書を貼り付けた「書 簡 帖」。ほとんどが年賀状やお礼状のようで明治生まれを感じさせる崩し字と古風な言い回しで書かれている。添えられた直筆の絵が楽しい。

訳 文

『紅葉の葉書』
啓上、御芳志の山香御恵送頂き万謝の事に御座います、
早速賞味致しました処ついついご挨拶申遅れて欠礼の仕様御海寛(かいかん)願上げます。草々
龍子 十月十九日

『松茸の葉書』
これやこの庭より続く茸山の
御芳志賞味、万謝致しました、寸楮(すんちょ)御挨拶迄
龍子 十月一日


主催:公益財团法人伊賀市文化都市協会

協力:京都 豊国神社・京都市立芸術大学・一般財団法人 東洋文化資料館靑山讃頌舎

後援:伊賀市・伊賀市教育委員会

助成:公益財団法人岡田文化財団

ミュージアムの受付でミュージアムオリジナルグッズや図録を販売しています

。オリジナルグッズを紹介⤴️ペーパーグライダーや竹蜻蛉の型紙もダウンロード出来ます。


今後の展示予告

*以下の予定は変更されることもございます。

2026年

❻1/8㈭〜2/15㈰ 「松風庵一志~藤堂豊前家と楽焼の魅力~」

伊賀市文化財課による伊賀市の文化財の公開展示。

・伊賀青山の文化見学会「種生常楽寺大般若法要見学」

種生神社に隣接する常楽寺の大般若経転読の法要を見学します。
*常楽寺の大般若経は国重要文化財で平安時代を中心に天平時代から江戸時代にかけての書写の大般若経です。その大般若経を実際に使って転読法要が行われます。
*常楽寺は近くに兼好塚があり、徒然草で有名な吉田兼好を偲んで全国から多くの文人墨客が訪れたところです。奉納された他の文化財も見られるかもしれません。

日時  2026年2月11日(水・祝) 13:00〜 要予約

❼3/5㈭〜4/6㈪「穐月明の四国八十八所の旅」(土佐編)

穐月明の大作「四国八十八所の寺と仏」の内「土佐編」の初公開
2026年度には伊予編も展示も予定
・春の呈茶会
・ハイキング常福寺「八十八所めぐり」


過去の展覧会

開館10周年特別展「いまに息づく桃山陶器~桃山デザイン展in伊賀~」

2025/9/2/20㈯~10/19㈰

安土桃山モダンアート × 現代モダンアート 時空を超えたコラボレーション

伊賀市 ミュージアム青山讃頌舎の前身である青山讃頌舎美術館を水墨画家故穐月明が開館してから10年となることを記念し特別展を開催しました

桃山時代から江戸初期の「京都・三条せと物屋町跡」出土陶器は、丸みのある形や鮮やかな色彩、ゆるくユーモラスな文様が魅力です。本展では、そのデザインに注目し、古伊賀や豊国祭礼図屏風の複製、学生や現代作家による作品を展示。歴史と現代の感性が響き合う空間です。

本展では以下の作品を展示します。
・故奥知勇氏が収集し、三重県指定有形文化財に指定されている古伊賀
・「京都・三条せと物屋町跡」から出土した桃山時代の陶器、
・当時の様子をうかがい知ることができる京都豊国神社所蔵の「豊国祭礼図屏風」の高精密複製、
・桃山デザインにインスパイアされ制作した京都市立芸術大学の学生たちの作品
・伊賀を中心に活躍する陶芸家 小島憲二、天野靖史の作品

夏の企画展「月光〜穐月明の夜の景色Ⅱ」

2025年7/20㈰~9/8㈪

穐月明は月光の下の美しい景色をたくさん描いています。月光に輝く水面や白く浮かび上がる雪や花、寺院や仏像は夜だからこそ其所に神秘的な空間がうまれます。今回はそんな作品を照明を消した暗がりの中、キャンドルライトで照しながら月夜の世界を体験していただきます。また、金屏風や仏像を暗いお堂の中のようにキャンドルで照し出す等、光りの演出を試みます。暗がりの中でこそ見えてくる光りと影のアートをご覧ください。

特別展「化石が語る太古の世界」
古琵琶湖層群と中新世の地層が遺したもの

2025年6/7㈯〜7/6㈰

化石に興味を持ち始めてはや60数年
生まれ育った地が、古琵琶湖層群と中新世(阿波層群一志層群)の地層に囲まれているという恵まれた環境の中、暇を見つけて採集した化石たちを展示いたしました。
琵琶湖博物館企画展示室で、2001年に参加して以降、伊賀盆地化石研究会として、地元で数多くの展示会を開催してきました。
コツコツと採集してきた私に大地から最高のプレゼントがありました。
それは、ナマズの頭蓋骨化石です。
今回、伊賀市文化都市協会様よりお声がけを頂き、ナマズをおまつりしている地震よけの大村神社の側で私の化石人生の集大成として展示会をさせて頂く事に、深いご縁と喜びを感じております。
伊賀盆地化石研究会 北 田 稔

春の企画展 「絵本のような絵画展〜穐月 明の絵から始るおはなし〜」

2025/4/19日㈯〜5/26㈪

穐月作品の多くには元になった話が有ります。古典や禅のむつかしく思える話でも、読んでみると面白い物を題材にしています。今回の展覧会ではそんな絵の元になった話を童話のように楽しく読めるお話にしました。細かいニュアンスや表現は正確ではないかもしれませんが、こんなおかしなお話なんだなと、絵を観ながらお楽しみいただけたら幸いです。おとぎ話有り、伝記有り、説話有りの絵本のような展覧会です。

春の通常展「四季折々ー穐月明の花と木と」

2025/ 3/1 ㊏~ 4/10 ㊍

穐月明は水墨画家を目指すようになってからそれまでの個性的な作風から自然の美しさをあるがままに表現する画風に向かいました。それは自身が幼い頃から親しんでいた仏教観から無為自然がやはり美しいと言う思いに至ったのでしょう。
それゆえ花や木をこよなく愛し小さな野の花も見逃さず、その美しさ、たくましさ、やさしさを在るがままに描き、時に主役に、時にやさしく作品に花を添えました。そんな四季を通じて描かれた植物をご覧ください。

新春企画「新 歓嗣―作陶60年の軌跡―」

歓嗣 × 穐月明コラボ展

2025.1.10㊎―2.10㊊

この度、青山讃頌舎にて私の作陶六十年の作品を展示させていただくことに成りました。
その時代に創りたい物をジャンルを問わずひたすら制作して参りました。生前、若輩の私に親しく接して頂いた敬愛する穐月明先生の絵画(軸)も同時に展示して頂ける光栄に感謝申し上げます。
陶芸家 新 歓 嗣

秋の通常展「浜辺の四季〜穐月明が描く海〜」

2024/10/31 ㊍~ 12/20 ㊎

穐月明が少年時代を過ごした故郷 実報寺は愛媛県西条市の海に近いお寺で、浜には大きなカブトガニが生息している自然と文化の豊かな所でした。それゆえか海の作品にはなにかしらの故郷への思いが反映されているようです。
夏の穏やかな海、冬の荒海、月夜の海、海にまつわる和歌や物語を描いた作品など海を描いた作品には、得意とした清らかな理想郷のような山河作品とは違う力強さや荒々しさを感じさせる作品が多いようです。
大きな海原とそこに広がる波と光り、そしてそこにも有る人の暮らしをご覧ください。

秋の特別展「のぞいてみよう源氏物語の世界」

令和6年9月1日㊐~10月14日㊊

紫式部によって著された『源氏物語』は、およそ千年の時空を超えて読み継がれ語り継がれ、各時代にわたってさまざまなかたちで享受されてきました。しかしながら現在の我々にとって『源氏物語』を理解するのはハードルが高いと感じる人も多いのではないでしょうか。本展覧会は、そんな『源氏物語』の世界を少しでも身近に感じていただくために企画しました。特別展示として当時の十二単などの装束を展示し平安の美を体感していただけます。

夏の通常展特別企画、暗がりの中、キャンドルライトで見る展覧会「夜の景色/穐月明の月と星と」

開催期間2024/7/6㊏~8/18㊐

照明を消した会場の暗がりの中でキャンドルライトを照らしながらご覧いただきます。夜はとても美しく神聖で少し怖い時間であり、月や星は神仏にたとえられていました。そんな美しい夜を穐月明はたくさん描いています。今日、日常で夜の暗がりを体験することは少なく月星を楽しむことも少なくなりました。この度、暗闇の中で作品を見ていただくことで夜の神秘的な美しさや暗がりで見る仏像の荘厳さなどを体験していただきます。

初夏の企画展新指定 伊賀市文化財 若宮八幡神像 初公開「神が息づき仏が導く~穐月明と仏教美術の世界」

2024.5/17 ㊎~ 6/17 ㊊ 火曜日休館

故穐月明旧蔵の古美術は伊賀市に寄贈されたものの評価が定まっていませんでしたが、その一つ「若宮八幡神像」が昨年、伊賀市の文化財指定を受けました。その公開に合わせて、生涯を通し集めた仏教美術の優品と神仏をテーマとした作品を展示し、穐月明が見ていた神仏の世界をご覧いただきます。また、隣接する大村神社・虫喰鐘も昨年、伊賀市文化財に指定されました。虫喰鐘は大村神社の神宮寺であった禅定寺の鐘だったものです。禅定寺に関わる文化財を同時に紹介し地元に残る神仏の世界の一端を紹介致します。

日根野作三展 SAKUZOHINENOEXHIBITION
伊賀が生んだクラフトデザインの先駆者―地元に遺したものー

2024.4.13㊏ -5.6㊊㊗ 火曜日休館

「戦後、日本の陶磁器デザインの80%は日根野氏がつくられた。」これは人間国宝の濱田(ハマダ)庄司が、日根野作三に送った生涯を陶磁器デザインに捧げた日根野氏の活動の広さと奥深さに対する称賛の言葉である。

伊賀市 ミュージアム青山讃頌舎 春の通常展
「春を楽しむー穐月明の花と新緑」

2024/3/8(金)~4/7(日)火曜日休館

 穐月 明の花の作品はありのままの美しさを実物以上に描いて大変人気がありました。木々が芽吹き花が咲き始める美しい季節に、花と新緑の絵画展を開催致します。

伊賀市 ミュージアム青山讃頌舎 新春の企画展
「絵が先か、俳句が先か

令和6年1月13日(土)〜2月18日(日)㊊火曜日休館

 穐月明作品を芭蕉の俳句と共に鑑賞する企画展を開催いたします。俳句から連想される光景と絵画から連想されるシチュエーションが響き合いどのような世界が見えてくるのか? お楽しみください。あなたが鑑賞するのは「絵が先か、俳句が先か。」

2023年 秋の通常展「流水頌歌/ながれのうた— 穐月 明 最後の思い —」

令和5年 10/21㊏~12/25㊊火曜日休館

 穐月 明は晩年、風景画の作成に注力します。山間から海に至る水辺の風景を、ただ美しいだけではない、人と自然の営みとして描き「流水頌歌」として発表します。
そこには生涯仏教を探求し続け到達した、自然と調和した暮らしへの願いを強く感じます。力の衰えを感じながらも本当に描きたいものを追求した最後の個展の再現を試みました。

2023年 秋の特別展「魂の相剋 中野英一遺作展」

中野英一さんのこと
毛利 伊知郎(もうり・いちろう 三重県立美術館前館長)
中野英一の逝去から既に18年。今や彼の名と作品を知る人は限られているだろう。しかし、中野は20世紀後半の三重の美術界で逸することができない作家の一人だと思う。(以下略)

2023.9.8㊎ー10.9㊎㊗ 火曜日休館

夏の通常展「ちょっと笑えるアート展」

穐月作品には様々な魅力が有ります。本物以上に美しく描かれた花、清々しく平和な風景、優しく微笑む仏や石仏などどれも素晴らしいのですが、そこにちょっとユーモラスで可愛い表現が加わることも魅力です。
ほんとは怖い神様も偉いお坊さんも絵の中ではひょうきんでちょっと可愛く描かれます。美しい花や深淵なテーマの作品の中によく見るとユーモラスな人物や動物が入っているのを見つけると嬉しくなります。
今回は、そんなユーモラスな部分に焦点を当て展示致します。
夏のひと時、涼しいミュージアムで楽しいひと時をお過ごしください。

7月14日(金)~8月27日(日) 火曜休館

夏の特別展「福 郎」上田 保隆展

上田保隆(かみた やすたか)は伊賀の最奥の山村・霧生でフクロウにこだわり描き続けた画家です。
今回の展覧会は生前考えていたと言われる「夜の森」のようなイメージで展示しました。フクロウのいる神秘的で美しい夜の森のをお楽しみください。

2023年 6/2㊎~7/2㊐

春の通常展「あおやまのうた/青山讃頌—やさしい水墨画・あきづきあきら傑作選—」

当館所蔵の千点近い穐月 明作品の中から特に優れた物や過去の展覧会で好評だった作品を展示いたします。

2023.4.21㊎~5.21㊐

春の特別展「文化の交差する所 伊賀 ー出土品が語るその歴史と文化 ー

伊賀市文化財課の構成による当館初めての本格的な地元の考古展示となりました。

2023.3.10(金)〜4.9(日)

新春通常展「動物大好きー穐月絵画に登場する動物たちー」

穐月明の水墨画は従来の水墨のイメージにはない、優しさと可愛さがあります。特に作品に登場する動物たちには作者の特別な愛情が感じられます。

2023年 1/6㊎~2/6㊊ 

秋の通常展「西国三十三所の寺と仏」

新たに入手した穐月明「西国三十三所」作品二十点と新収蔵品を公開

2022年 10/21㊎~12/25

秋の特別展「谷本景の軌跡―The trajectory of Kei Tanimoto―

2022年 9月2日(金)~10月10日(月)

石仏の画家 穐月明

2022年 6/3㊎~8/22

穐月明の愛した仏–龍谷ミュージアムのガンダーラ仏 里帰り

2022年4月22日㊎~5月22日㊐

https://aoyamautanoie.net/2022/05/23/春の特別展「穐月明の愛した仏-龍谷ミュージア/

花を愛でるー穐月明の花と収集花器

令和4年3月18日㈮〜4月3日㈰

穐月明の水墨と現代漆芸の美

令和4年1月7日㈮〜2月6日㈰

こんなに楽しい四大絵巻物

2021/11/12-12/19

ー古伊賀憧憬ー小島憲二の眼と手

2021/10/1(金)〜10/31(日)

伊賀に暮らして〜穐月明の身近な風景

2021.5.21(金)~6.20(日)
     7.22(木)~8.22(日)

没後10周年記念 榊莫山展-故郷・伊賀に帰る−

2021.4.16~5.6

春のやすらい−穐月明の水墨世界−

伊賀市 ミュージアム青山讃頌舎2021年春の通常展
春のやすらい

美の視点ー穐月明の収集古物を紐解くー

伊賀市 ミュージアム青山讃頌舎2020秋の企画展展

「美の視点」チラシ表

伝承・創造伊賀焼展 伊賀焼『今昔』

伊賀焼伝統技術保存会第5回会員展

2020.8.8㊏―8.30㊐

伝承・創造伊賀焼展チラシ

2020年オープニング記念
「穐月明名品展・やすらう世界」

開催期間:2020年6月3日(水)〜8月2日(日)

穐月明「思い出の富士山」

「ミュージアムうたのいえ」2020年以後の展覧会(2019年以前の展示はこちら⤵️