イロハモミジの花と種

イロハモミジの花はご存じでしょうか。ものすごく地味です。今は種になっていますがまだちっちゃなプロペラです。

イロハモミジの花

イロハモミジの花

イロハモミジのちっちゃなプロペラ

イロハモミジのちっちゃなプロペラ

下手(げて)が大事

以前企画展出展作品の選定にまよっていた時、穐月明本人に「あまり上手すぎないほうが良いですよね」というようなことを聞いたことがありました。その時「ゲテ(下手)は大事なのだ」と答えてくれました。「上手物」に対する「下手物」、「甲」に対する「乙な物」です。
残された風景画などの中にはに破綻無く書かれ見事にリアルな物も有りますが、多くは良く見ると遠近法を少しズラしていたりします。風景画に限らず描こうと思えばほんとにリアルに描けたようですが不自然にならない程度にゆがめたりくずしたりしているものが多いのです。

穐月明「流水図貼雑屏風(一部)」

穐月明「流水図貼雑屏風(一部)」

この絵はいくつかの風景を貼り雑ぜた屏風絵の一部です。水の流れの表現が素晴らしい作品で、手前と奥で多少消失点をズラしていますがほぼ完璧な一点透視です。ほんとにに上手な絵です。この絵はこれで良いのですが・・・。

穐月明「里山の流れ」

穐月明「里山の流れ」

此方の絵はどうでしょう。少し子供っぽいと言うか下手な感じに見えないでしょうか。しかし、其の分それぞれの場面が自然と目に飛び込んできます。
上手すぎる絵はその上手さに目を奪われますが、このくらいくずしてあると絵の主題に自然と目が行きます。其処が「ゲテ」の大事なところです。
それと、ただ下手に描いたのでは無く遠くの村と山、中間の田んぼ、野焼きの人物、手前の地蔵と小川、それぞれ別の所から見たものをキュビズム的に一つの画面に合成しているようです。そのためそれぞれの場面で確り物語が展開し自然と季節と人の関わりが生き生きと見えてくるのだと思います。

穐月明は文人画に憧れて水墨画の世界に入りました。文人画は自己を表現するよりその理想とする世界を描きます。自分を出さない自己主張なのです。自分の技術を誇らない、その代わり自分の教養と見識を絵にします。

今、奇しくも京都国立博物館では特別展として文人画の巨匠「池大雅」を開催中です。穐月明はその流れをくみながらも、油彩、日本画、キュビズムなどの要素を取り入れ現代人でもしたしみやすい絵にしたのではないでしょうか。

今、京都府立山城郷土資料館西条市立東予郷土館でも「穐月明展」を開催中です。お近くの方は是非お立ち寄りください。