穐月明の郷里
去る4月15日水墨画家として生涯画業に専心してきた父、穐月明が亡くなりました。この日、となりの桜山公園の桜はまだ咲いていましたが、晴れていた空が、突然の春の嵐となり青山讃頌舎は桜吹雪に包まれました。
葬儀は4月19日父の郷里 伊予西条の実報寺で家族だけの法要を行いました。家族だけとはいえ実報寺は多くの檀家を抱える立派なお寺ですので荘厳ながら和やかな法要でした。
実報寺は「一本桜」という横に枝を張る大きな桜で有名で樹齢300年と言われます。小林一茶も「遠山と見しは是也花一木」と桜の大きさを詠んでいます。
桜の花はもう終わっていましたが葬儀の日も良く晴れて山や里の新緑がとても美しかったです。此処には父が幼少期に見たであろう山や里の景色がまだ沢山残っていました。
此処の御本尊は地蔵菩薩(鎌倉仏)で地蔵菩薩は父の絵によく出てきます。特に素描によく描いていました。森の御堂も鐘堂も道端の石仏も皆此処にあります。父は郷里とは距離をおいていたようでしたが、此処に立つと色々な処が残された絵と重なって見えました。父のことはまだ分からないことばかりです。
今、青山讃頌舎の新緑がとても鮮やかです。
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