近郊案内:伊賀近郊の城址を散策してきました
当館は新緑の今が一番見頃です。
天気が良いと萌黄の若葉が透けてものすごく綺麗です。
伊賀近郊の城址を散策してきました
伊賀には600以上の山城址が確認されています。
4月22日の日曜日、館を休んで山仲間と伊賀の山城を散策してきました。当館から山城をつないで丸山城を目指しさらに無量寿福寺まで歩きました。信長の伊賀攻めの遺跡とも言えます。
マイナーな遺跡なのでを少し解説しておきます。
・阿保城跡:阿保宿の外れに有ります。一般には頓宮跡として知られ伊勢斎王が帰還の宿とした所ですが、残っている遺跡は中世山城です。当館から一番近い「伊賀タイプ」の城を紹介するために立ち寄りました。尾根の中腹に築かれ3.5mもの高い方形土塁で囲まれた城跡で、畿内の築城理論から見ると不合理な構造をしています。
・城氏城跡:青山駅のすぐ裏山です。伊賀惣国一揆の狼煙連絡システムの一つと考えられる城跡です。道が無いのできつ藪山をよじ登らねばなりません。小規模ながらしっかり畿内的な城郭思想を取り入れて作られていました。きっと狼煙を上げるくらいの時間は持ちこたえたでしょう。
・城之越遺跡:国史跡で古墳時代の水の祭祀場跡です。奈良時代の池の庭園への発展が論じられています。
・山村氏城・中原氏城址:山村氏城も道は有りませんが藪はまばらで地図が読めれば比較的簡単です。城は「伊賀タイプ」ですが麓の中原氏城との連帯が注目点です。しかし中原氏城跡は私有地のようで近づけませんでした。城の有る上林の村はのどかで美しい村です。
知らなかったのですが村中の持仏寺は丸山城建設の拠点だったそうです。
・丸山城跡:当時伊賀最大最新の城で未完です。伊賀国のど真中に 伊賀惣国一揆と対立する織田軍が建設しようとした巨大要塞です。今まで見てきた城より何十倍も巨大です。しかし此処には道があり登るのは簡単です。伊賀惣国一揆勢も未完の内に攻略したようです。
・無料寿福寺:伊賀惣国一揆が集結し丸山城攻撃を決済した寺です。丸山城が一望できます。裏山の三十三観音参りもさせてもらいました。和尚さんが伊賀天正の乱のことや寺の由来をお話ししてくださいました。
温かい春の日、城から城への野辺道や村々ははんなりと美しかったです。
縄張図などは「伊賀の中世城館(伊賀中世城館調査会)」や「伊賀市史」にも掲載されています。