展示紹介:動物大好きー穐月明作品の動物たちー
穐月明の絵をよく見るとあちこちに動物が登場します
晩年の干支の色紙です。それぞれの動物にはそれぞれの役割を与えているようです。今回の企画展から動物を探して見ましょう。
猫は画家が最も愛した動物でしょう。作品んもたくさん残されています。子猫の「フワフワ」感と「プニプニ」感と「ヌクヌク」感がよく出ています。最晩年は膝の上に猫を乗せ猫と共に生活していました。
絵に最もよく登場するのは鳥かもしれません、風景画にはほとんどと言って良いくらいどこかに小さく鳥が書き込まれています。しかもよく見ると意外と丁寧に描かれていたりするのです。この絵も鳥の羽や水面への写り込みなどまで描かれています。小さくてもこの絵の主人公なのです。
鳥の中でも雀は意外に画題にされています。とても愛らしい役をしています。この絵では一匹だけ反対を向いています。
次によく登場するのは犬でしょうか。「犬の絵」も多く描いていますが、風景の中に人と共に描かれていることが多いです。大抵は小さくシルエットのように描かれていますが、ちょっとした動きの表情でどんな犬かわかります。本人に「猫は賢そうなのに犬はバカっぽく描くのですね」と尋ねたら「犬の役割だね」だそうです。
猫はあんなにリアルに描くのに虎はどれもデフォルメしています。日本の伝統的な虎に近い書き方やこの絵のようにどこかユーモラスに描くことが多いようです。実際の虎は怖すぎるのでしょう。この絵には「谷を飛び越え風を巻き起こし、百獣の中に有って並ぶ物の無いが、王者の証しは、小さな生き物も踏みつけないことだよ」とあります。
この絵は見事に描かれたナスに目が行きますが、そのナスを食べに来たバッタも描かれています。何気に見えますが良く見ると目、口、羽、足どこも以外に丁寧に描かれていて生きているようです。画家の画力を示しています。
十牛図は禅の悟りの段階を牛にたとえた絵にしたものです。牛はとても量感たっぷりに描かれますが少し悲しそうです。以前狂牛病が流行りたくさんの牛が殺された時、画家は心を痛め大きな牛の絵を描いてお寺に奉納したそうです。
この絵では鹿、猿、狸、狐、熊、鷺、小鳥たちが集まって仏に花を捧げています。小さな動物たちですが皆とても愛らしく描かれています。かつて画室の周りが動物園のようになっていたことがありました。動物が大好きなのです。