青山讃頌舎の生物たち・粘菌
当館は背景に森を控え茶室は木々に覆われていますので色々な生き物に出会えます。先日は杜鵑が茶室の松の木に止まっていましたし、夜には木菟、前の公園で鶉をみたこともあります。となりの大村神社にはムササビが住み、秋には庭の栗を食べに猿がきます。
そんな中で茶室に住み着いているらしい変な生き物・粘菌(変形菌)が気になっています。
かつて南方熊楠が昭和天皇に講義された事でも知られる生物で、カビかキノコに見えますが全く別の生物です。
かつて生物は植物と動物に別けられていましたが、今の高校ではもっと色々な分類を教えるようです。5界説では原核生物(モネラ界、大腸菌など)、原生生物(アメーバなど)、菌(キノコ、カビなど)、植物、動物に別けられ粘菌は原生生物でどちらかと言えばキノコよりアメーバに近いそうです。
ごくありふれた生物ですが、以外と気付くことが少なく気付いても大抵キノコと思われていることが多いと思います。しかしその生態は一般に思われている植物や動物とは全く違います。
胞子を飛ばし、其れが発芽するとアメーバのような単細胞で生活しますが或る時数十センチもの大きさになります。しかも其れが細胞の集まりでは無く一つの細胞の中に沢山の細胞核が有る状態でそれが餌を求め移動するのです。そして再びキノコのような子実体を作ります。
当館の粘菌は子実体を作るの時だけ表に出てきますが、庭の狭い範囲で生活しているようです。
常識と思っている生き物とは全く違う生き物が身近にいることに驚かされると共に生物の大きな可能性を感じます。