穐月明の故郷の山河2/3「燧灘(ひうちなだ)」
穐月明「母の像」とひうちなだ
この絵は穐月明が美大卒業間際に描いたと思われる母親の絵です。油絵を専攻した後、日本画を専修していたので日本画の技法で描かれています。おそらく卒業間際に故郷に持って帰りお母さんに賛を書いてもらったのでしょう、お母さんは「古都より はるばるかえり かく末子 ひうちのなだも 春あさき日に 昭和33年2月」と自作の歌を書いています。
燧灘(ひうちなだ)
四国の愛媛県と香川県の間の海を燧灘と言うそうですが、東予の河原津海岸は其の中に含まれます。ここには昔沢山のカブトガニが生息しており私も子供の頃大きなカブトガニが普通に這っているのを見た覚えがあります。父(明)が連れてきてくれたのです。今は殆どいなくなり東予郷土館で孵化したものを放流し繁殖が試みられています。
ですから東予郷土館の目玉は天然記念物「カブトガニ」です。展示室もリニューアルされ大変明るく見やすい展示になっていました。
カブトガニは単に珍しい生き物と言うだけでなく未分化な特徴を残す巨大な節足動物ですので、体の構造も分かりやすく海老や昆虫(直接の先祖ではありません)がどんな風に進化していったかも勉強できます。
この日潮が引いた頃を見計らい河原津海岸を訪れてみました。
泥の潮干が湾の入口まで続く遠浅の海岸で、花崗岩の山を控えていますので海岸の景観も美しいです。水も綺麗で沢山の生き物が暮らしていました。
カブトガニも見つかったら良いなと思って海岸を散歩してみたら、ホントにいました。
東予郷土館では生息調査をされていますので発見を電話したら、すぐに担当の方が来て下さいました。初めてでいきなり見付けるのは実はものすごくラッキーだそうです。
甲羅の直径2cm(尾を除く)の5齢(4回脱皮)で去年4齢で放流したものが1回脱皮したのだろうとのことです。小さいけれど立派にカブトガニです。
ほかにも色んな生き物を教えて頂きました。
マメコブシ(蟹)
ちっちゃな蟹ですがちょっと怒っています。格好も変わっていますが、蟹なのに縦に歩きます
イカの卵
海草に付いている黒い玉と白い玉がイカの卵です。白がコウイカ、黒がシリヤケイカだそうです。
海の生き物はホントに不思議です。ほかにも沢山の生き物がいそうでとても楽しい海岸でした。
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