「美の視点」展示紹介/大般若経
秋の企画展「美の視点」で展示している穐月明の収集品には文化財的にも価値が高く系統立てて収集されたものが多くあります。例えば鏡や瓦は中国の紀元前のものから日本の江戸時代のものまで時代を追って見ることができます。
大般若経六百巻の展示
大般若経も六百巻揃った形で箱に入って保管されています。それに加え大般若経転読法要に掛けられる「大般若経守護十六善神図」も穐月明 自ら描いています。大般若経はそれ自身に村を守るご利益があると信じられ多くの村で持っていたもので、かつて館に隣接する大村神社にも有りました(今は宝厳寺にあります)。
「大般若経守護十六善神」の軸は図像も表具も立派に法要に使えるものですが、作品はちょっと可愛くコミカルです。
中央に釈迦と文殊、普賢の三尊。その下に法湧菩薩と常啼菩薩。一番下に深沙大将と玄奘三蔵。その周りに四天王と十二神将が取り囲んでいます。四天王と十二神将で一六善神です。
この絵の玄奘三蔵が担いでいる箱を笈(おい)といいます。玄奘が天竺から笈に大般若教を積んで運んできた格好です。
その笈も展示しました。これに肩紐を取り付けて背負います。もともと笈は修験者が仏具、生活道具等を運んだ背負子です
大般若経の方は五十巻ずつ十二箱に収められ十二子が振られています。その箱には明(あきら)自身が目次を付け経典には見つけやすいようタイトルを挟んでいます。経典を書物として扱っており無論内容もしっかり把握してたと思われます。大般若経はあることは知っていても中身まで見る機会は少ないと思います。この機会にじっくりご覧ください。
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