重要文化財・大般若経の転読会
2026年2月11日伊賀青山の文化見学会「種生常楽寺大般若法要見学」
伊賀市 ミュージアム青山讃頌舎文化見学会 https://aoyamautanoie.net
【日寺】2026年2月11日(水・祝)
【場所】種生神社・常楽寺(三重県伊賀市種生1278)

伊賀青山の山村、種生・常楽寺の大般若経は国重要文化財で天平時代から江戸時代にかけて書写された大般若経です。毎年その大般若経を実際に使って転読法要が行われます。その貴重な法要を見学させて頂きました。

常楽寺は種生神社の神宮寺だったお寺で、種生神社でも神事が行われます。まずお参りです。
常楽寺は近くに兼好塚があり、徒然草で有名な吉田兼好終焉の地との伝承が残っています。古くから全国の文人墨客が訪れたところで、多くの文化財が奉納されています。



国重要文化財・紙本墨書大般若経を開いて見せて頂きました。此の巻は正元2年(鎌倉時代)の奥書が在りました。これらの経典を転読します。
今日は我々以外にも伊賀市の文化財課と三重県の文化財課の先生方も見に来ておられました。

始めに住職さんの読経。ここのお寺は真言密教の作法で行われます。
「大般若波羅蜜多経」は大蔵経の中の仏の知恵を説いた部分で、唐の玄奘三蔵がインドから持ち帰り漢訳し、日本に伝来しました。
読誦により地域を守るなどさまざまな功徳があるとされ続日本紀にも記載があります。江戸時代になると村で購入され、村や家の安全を祈願するため大般若経転読会が行われるようになりました。

地元のご詠歌詠唱の会も美しい声を聞かせてくださいました。

4人の僧が大般若経600巻の巻名を大きく唱えながら、経典を開いて行きます。全て開き終われば全巻読誦したことになります。とても迫力があり集まった人たちに経典の風と共に功徳を振り撒いているようです。

住職さんが経典で一人一人の肩を叩いて回ってくださいました。なにかうれしい気持ちになりました。
最後の挨拶でに住職さんからは、仏像は祭ってこそ仏になり、経典はこうして使ってこそ生きたお経になると言う話をされました。
三重県の文化財課の先生からも文化財は地元で大切に使われることが最も望ましい、こうして使われていることこそ喜ばしいと言うお話をされました。

転読会終了後、見学会に来て頂いた方々に兼好塚を案内しました。

雨上がりで少し霞がかかり、いかにも吉田兼好が庵を結んでたという雰囲気でした。

昔、ここには草蒿寺と言う寺が在り、そこに吉田兼好が庵を結んだと伝承されています。その話を忍び多くの文人墨客が訪れています。芭蕉の門人の服部土崩も訪れて俳句を詠みました。石碑の後ろの梅の木が花をつけていました。

伊賀には大般若経転読の様な民俗文化がまだ沢山残っています。地元の方は当たり前のように年中行事で行なっておられますが、他地域ではほとんど消滅し、もはや貴重な無形文化財になりつつあります。
こうした行事には盛り上げるさまざまな演出がされていて、迫力があり感動的です。多くの方にこういった民俗行事の感動を知ってもらい地元の方が続けて行く力になればと思います。

