春の通常展「花を愛でるー穐月明の花と収集花器」は終了しました

春の通常展「花を愛でるー穐月明の花と収集花器

令和4年3月18日㈮〜4月3日㈰
火曜日休館

愛らしい石仏で知られる穐月明ですが花の絵も大変人気がありました。
藪椿や木槿、野の草花など豪華な花より素朴な花を愛し、花の美しさを有りのまま描くことを得意としていました。特に墨による表現は秀逸で生き生きと描かれた花々は本物以上の美しさを感じさせます。
今回の展覧会ではさまざまな花をさまざまな器に生けた作品と、収集された器を展示いたします。春の花が咲き始めた青山讃頌舎で美しい花の作品をお楽しみください。

観覧料 一般300円高校生以下無料
住 所 伊賀市 ミュージアム青山讃頌舎 〒518-0221三重県伊賀市別府718-3

❖ 抹茶提供「春の茶室でお茶をいただく」

場 所 茶室「聴樹庵」及び庭園
日 時 4月2日㊏・3日㊐
    ①10時〜、②11時〜、③13時〜、④14時〜
呈茶代 400円(抹茶、菓子)
要予約 定員 1日4回 各回8名
〈予約お申し込み〉(公財)伊賀市文化都市協会
受付開始 2月20日㊐ 午前10時から☎0595 22 0511


❖ ギャラリートーク「穐月明の水墨」

穐月明の水墨の魅力を作品を見ながら解説します
案 内 学芸員 穐月大介
開催日 3月27日㊐ 13時30分〜
定 員 先着20名 参加無料(観覧料必要)
日時:1月23日(日) 13:00〜
会場:伊賀市 ミュージアム青山讃頌舎 展示室
定員:20名(予約制)*観覧料が必要となります。

穐月明「籠の椿」

穐月明は生涯を通し水墨の表現を追求し独自の技法を編み出しましたが、花の絵にはその特徴がよく現れています。この絵は墨だけで描かれているにも関わらず色彩さえを感じさせます。生気に満ちた花、艶やかな葉、ザックリとした竹籠の質感が描き分けられ、椿の美しさがそのまま表現されています。

穐月明旧蔵「白磁八角染付壺」

李氏朝鮮時代の白磁染付壺
このちょっと変わった形の壺は李氏朝鮮の白磁染付壺と思われます。この壺には箱が無く明自身の字で白磁八角壺とだけありました。若い時から良い物を見、良い物を周りに置くことに努めて、骨董を収集していました。この壺は骨董店で見つけた物でしょう。素朴な味わいを愛した明は特に朝鮮の物を珍重していました。

穐月明「掬水月在手・弄花香滿衣」

水を掬(すく)えば月は手に在り、花を弄(もてあそ)べば香は衣に満つ。唐の時代の春山夜月という美しい漢詩の一節です。明は漢詩、俳句、和歌、経典などを題材に絵を付描いていました。絵に讃(言葉)を書き加えているように見えても先に言葉がある方が多かったようです。

穐月明旧蔵「天竜寺青磁刻花文尊式瓶」

中国・元の時代の青磁
中国竜泉窯(りゅうせんよう)で焼かれた青磁で、室町幕府が明(みん)から天竜寺造営のために輸入したと伝えられます。光沢のある濃い緑色の青磁釉が美しい当時の高級舶来品です。

穐月明「母仔猫」

明は花を画題としたばかりではなく、さまざまな作品に花を添えています。「野の仏」には野の花、春の景色には桜、この絵の母仔猫には萩の茂みが描かれています。明の猫への愛が溢れます。

穐月明旧蔵「宮川香山伊賀水差」

伊賀ゆかりの名工の壺
この壺の箱書きには「古伊賀復興 初窯 克堂、真葛 香山作」とあります。克堂は川崎 克、真葛 香山は二代目宮川 香山でしょう。川崎 克氏は古伊賀焼復興にも尽力され、二代目宮川 香山氏は古伊賀復興を指導されたようです。初代宮川 香山は超リアルな超絶技巧で知られ二代目もその技術を受け継いでいました。

穐月明「壺の木槿」

明は椿の他さまざまな花を描いていましたが、木槿(むくげ)も好んで描いていた花の一つです。この絵は収集した「朝鮮唐津徳利」に庭の木槿を生けています。

穐月明旧蔵「漢代緑秞壺」

中国古代の壺
中国には漢の時代(2~3世紀)、日本ではまだ弥生時代からすでに彩釉陶器が作られていました。この壺は出土品なのでしょう、長い間地中にあって釉薬が銀化し虹色を帯びています。古くからこの銀化の風情が珍重されました。