2023年 夏の通常展「ちょっと笑えるアート展~穐月明のユーモア〜」は終了しました。

2023年 7月14日(金)~8月27日(日) 火曜休館

穐月作品には様々な魅力が有ります。本物以上に美しく描かれた花、清々しく平和な風景画、優しく微笑む仏や石仏などどれも素晴らしいのですが、そこにちょっとユーモラスで可愛い表現が加わることも魅力です。
ほんとは怖い神様も偉いお坊さんも絵の中ではひょうきんでちょっと可愛く描かれます。美しい作品や深淵なテーマの作品の中によく見るとユーモラスな人物や動物が入っているのを見つけると笑ってしまします。
今回は、そんなユーモラスな部分に焦点を当て展示位致します。
夏のひと時、涼しいミュージアムで楽しいひと時をお過ごしください。

Ⅰ. 楽しい人々
温かい眼差しでユーモラスに描かれた普通の人々です
Ⅱ. 可愛い動物たち
思わず笑顔になる無邪気で愉快な動物たちです
Ⅲ. とぼけた神仏とお坊さん
神様も偉いお坊さんも実はなかなかひょうきんです。

【関連イベント】

親子でなぞなぞ「見つけてみよう・絵の秘密」

 なぞなぞを解いて絵の秘密を見つけてね!

絵の中の人は誰? 何をしてるの? など絵を見るポイントをクイズにしました。みんなで謎解きをしながら絵を読み解いてください。
期間:展覧会期間中なぞなぞを無料配布、
   *解答は受付でお渡しします。

ワークショップ「夏休み工作教室」

当館オリジナルのタケトンボや紙飛行機を作り、飛ぶように調整し、飛ばすところまで一緒に遊びます。ほぼハサミで作れます。

竹トンボを作って飛ばそう
日 時 7 / 2 2 ㊏、1 0 : 0 0 ~ 1 2 : 0 0 * 雨天2 3 ㊐に順延
持ち物 ハサミ、カッター、定規、セロテープ

紙飛行機を作って飛ばそう
日 時 7 / 2 9 ㊏、1 0 : 0 0 ~ 1 2 : 0 0 * 雨天3 0 ㊐に順延
持ち物 ハサミ、カッター、定規、スティクのり

* 会 場 伊賀市 ミュージアム青山讃頌舎 中庭
* 参加料 5 0 0 円、観覧料1 0 0 円引き割引券付き
* お申込 各回定員1 0 名/ 小学生以上( 保護者等同伴可)
【申込受付/ お問合せ】 青山ホール ☎ 0 5 9 5 5 2 1 1 0 9  

ギャラリートーク「穐月作品の絵解き」

穐月作品には古事や教養を題材にしたものがあります。見るだけでも楽しい作品もその絵の意味や背景にある物語を知るとさらに絵の面白さが見えてきます。

日 時 8/5㊏、8/12㊏、PM13:30~
定 員  先着20名 無料(入館料必要)

Ⅰ. 楽しい人々

展示室には思わぬ物も展示しています。

「いつも三月花の頃」穐月 明
「いつも三月花の頃、女房十八わたしは、使って減らない金百両、死んでも命があるように、」元禄俗謡
江戸時代の戯れ歌です。誰れもが望み、決して叶えられない究極の欲望ですね。

「猫とお使い」穐月 明
作者自身の奥さんと猫です。買い物籠を引く姿を線描きでユーモラスに描いていおり、奥さんにそっくりです。

「行水・仔犬」穐月 明
庭で行水です。これも画家の家族でしょうね。

「赤ん坊・かわいいでしょ」穐月 明
ぬいぐるみのオルゴールも穐月コレクションです。

「御伽草子・ぶんぶく茶釜」穐月 明
ぶんぶく茶釜のお茶会セットも展示しました。

Ⅱ.可愛い動物たち

「跳躍虎」穐月 明
この虎、なんで飛んでいるかわかるでしょうか?
前に置いてあるのは獅子舞の頭です。

「蕨と仔犬」穐月 明
お尻の穴を丸出しで振り返る、まだボーと生きているあどけない仔犬です。

「雪の庭」、中央「招福」、右「軒の梅」穐月 明
雪の庭」は庭に来た雀、「招福」は招き猫、「軒の梅」は垣根から吠える犬です。
前に展示しているのは狛犬です。

「風雀図」穐月 明
楽しそうに風に揺れる雀です。

「木菟(みみずく)」穐月 明
前に展示しているのは鳩笛です。「ほーほー」となります。

Ⅲ.とぼけた神仏とお坊さん

「鰯の頭も信心から」、中央「節分」、右「福神嬉戯屏風」穐月 明
なにか楽しそうな神様や鬼たちです。前には「鬼瓦(奈良時代 太宰府)」と「木像恵比寿と大黒」を展示しています。

「一休道歌」穐月 明
「生まれては死ぬるなりけりおしなべて釈迦も達磨も猫も杓子も」
「有無をのする生死の海のあま小舟底ぬけて後有無もたまらず」
一休道歌
お茶目な一休さんの道歌(仏教の教訓を読んだ和歌)ですが、作家はさらにお茶目な絵にしています。

「懶瓉煨芋」穐月 明
禅の問答集に載る「ものぐさ瓉、芋を焼く」という話です。
中国 唐の時代、瓉和尚は皇帝の使者を、芋を焼きながら「はなを拭く間も惜しいのに、皇帝に法話などできるか!」と追い返したそうです。
これ、徳の高い名僧としての逸話です。

【懶瓉煨芋(ものぐさ瓚和尚、芋を焼く)】
瓚和尚は衡山の石室の中に隠居していました。 唐の徳宗はその名声を聞いて、使を遣わしこれを召します。
石室にやって来た使者は宣言します。
「天子がお呼びである、尊者はすぐに都に行って恩に応えよ。」
瓚和尚はまさに牛糞の焚火で芋を焼いて掘り出し、食べようとしているところで、鼻水を顎まで垂らしたまま何も答えようとしません。
使者は笑って言います。
「ともかく尊者、鼻水を拭ってはどうですか。」
瓚和尚は答えて、
「何でわしがわざわざ俗人の為に鼻水を拭うような手間を掛けねばならんのかね。」
と言って、ついにお召しに応じませんでした。
これを聞いた皇帝も、ため息をついてこれを許したそうです。
『碧巌録』第三十四則より

「石仏・犬」穐月 明
「犬に開眼され給う石地蔵」地蔵に無邪気におしっこをかける犬と、かけられて笑って許す地蔵です。でも、この句は一休話を元にしています。
前に展示しているのは中国唐時代の石仏です。

[主催](公財)伊賀市文化都市協会(指定管理者)
[共催]伊賀市
[後援]伊賀市教育委員会、名張市教育委員会
[協力](一財)東洋文化資料館靑山讃頌舎