青山讃頌舎 2018年秋期企画展 「それは釈迦から始まった ー穐月明の仏画と収集古美術ー」は終了致しました

 青山讃頌舎 2018年秋期企画展
「それは釈迦から始まった ー穐月明の仏画と収集古美術ー」

12月24日をもちまして終了致しました。大変有難うございました。
次回開館は2019年3月を予定しています。

【開館情報】
開催期間:9月8日~12月24日の土日祭日

【オープニングイベント】
・9月8日(土)10:00オープニング 館長による展示解説/当館
・9月8(土)〜9日(日) 特設コーナー「仏像を描こう」/当館
【基調講演】
「伊賀のお寺と仏さま」 瀧川和也先生(三重県総合博物館 学芸員)
9月9日(日)13:30より 阿保地区市民センター分館
穐月明「野の地蔵」

穐月明「野の地蔵」

「仏教ってなに
例えば、国宝と聞けばまず思い浮かぶのは「仏像」や「お寺」ではないでしょうか。飛鳥時代より今日に至るまで「仏像」や「お寺」は作り続けられています。また道を歩けばどこにでも「お地蔵さん」に出会えます。仏教はそれだけ日本の文化に深く浸透しているのです。
しかし、「仏教ってなに?」「神と仏とどう違うの?」と聞かれると意外と困るのではないでしょうか。
仏教は今から2500年くらい前のインドで釈迦が始めました。シルクロードを通り中国や朝鮮を経て日本にたどり着いたので実にいろいろな変遷を経ています。仏教を理解するには先ず釈迦の始めた仏教を知り、どのように広がり変化して行ったかを見るのがわかりやすいと思います。

今回の企画展では
第1章 釈迦の作った仏教
第2章 仏の来た道・沢山の仏たち
第3章 日本に広がった仏たち
の三部に分けて仏教の概観を試みました。難しい言葉を使わずわかりやすく解説しています。

ガンダーラ降魔印如来座像

ガンダーラ降魔印如来座像

第1章 釈迦の作った仏教
釈迦が始めた仏教

仏教の開祖釈迦は紀元前500年くらい前にインドで生まれた実在の人物です。本名はガウタマ・シッダールタ、釈迦族の王子と言われています。そのシッダールタ王子が城を出て修行し、やがて悟りを開いて「仏陀」となります。「仏陀」とは目覚めた人と言う意味で、修行を完成させた人「如来」と同義です。仏教は、一人の修行者だった釈迦が生きている間に悟りを開き仏陀となって、だれでも悟りが開けるよう教団を組織したのが始まりです。

南インド紀元前後・仏足石

南インド紀元前後・仏足石

仏像が作られる以前

インドでは、はじめ仏像は作られませんでした。釈迦を貴んでの事だったようです。しかし、ストゥーパ(仏陀の舎利を収めた塔)の廻りなどは沢山の仏陀の物語で飾られました。そこには仏陀の姿は描かれず足跡や法輪、菩提樹などで表されました。

パキスタン出土4世紀頃の仏像頭部(伊賀市蔵)

ガンダーラ出土4世紀頃の仏像頭部(伊賀市蔵)

初めての仏像

仏像は2〜3世紀からガンダーラ地方とマトゥーラで作られ始めます。

穐月明「仏伝図」

穐月明「仏伝図」

仏伝 穐月明/仏教の立場を釈迦の生涯に託して

釈迦は実在したようですが、その生涯は殆ど分かっていません。今日「仏伝」として伝わっているのは実際の釈迦の生涯というより、信者の為のお手本のようです。しかし仏伝を見れば仏教が何を目指していたかが見えて来ます。

第2章 仏の来た道・沢山の仏たち

中国唐時代・菩薩二体(伊賀市蔵)

中国唐時代・菩薩二体(伊賀市蔵)

伝大唐開元七年銘菩薩二体立像  719年

開元七年は唐の最盛期です。
日本では遣唐使 阿倍仲麻呂や吉備真備が唐に渡っています。日本が唐から文化を積極的に取り入れていた時期です。

第3章 日本に広がった仏たち

北斗曼荼羅(青山讃頌舎蔵)

北斗曼荼羅(青山讃頌舎蔵)

北斗曼荼羅 江戸時代

北斗曼荼羅は平安時代に日本で成立しました。ギリシャ由来の十二宮などこの曼荼羅にはギリシャ、インド、中国、日本の思想が詰まっています。

穐月明「騎牛図」十牛図第六

穐月明「騎牛図」十牛図第六

十牛図第六・騎牛 穐月明

十牛図は中国北宋時代に禅における悟りを牛にたとえ十段階の絵に解説を付けたものです。これは牛に乗って家に帰る場面です。

穐月明「村社流水」(伊賀市蔵)

穐月明「村社流水」(伊賀市蔵)

村社流水 穐月明

豊かな川の流れにそって村があり、畑があり、神社があり、そこに虹が立っている。作者の理想郷ではないでしょうか。


主 催:(一財)東洋文化資料館 靑山讃頌舎
後 援:伊賀市、伊賀市教育委員会、名張市教育委員会、伊賀市文化都市協会、阿保地区住民自治協議会