伊賀市 ミュージアム青山讃頌舎 新春通常展「動物大好きー穐月絵画に登場する動物たちー」は終了しました。
令和5年 1/6㊎~2/6㊊ 火曜休館
開館 10:00〜16:30(入館16:00)
穐月明の水墨画は従来の水墨のイメージにはない、優しさと可愛さがあります。特に作品に登場する動物たちには作者の特別な愛情が感じられます。
穐月 明は若い頃より動物が大好きで猫や犬は言うに及ばず猪や兎、雉や金鶏などを飼っており、ヘビやトカゲ、カエルや魚、バッタやクワガタなどの身近な昆虫や小動物も採取し熱心に観察していたようです。
動物を描いた作品は多く、猫や犬、牛などの作品には作者の深い愛情を感じます。また、風景画や静物画に小さく描かれた動物は絵の中でまさに生きているようです。
登場する動物たちには小さくともキャラクターがあり、何かしらの意志を感じます。絵の中ではこれらの動物は主人公で、その物語として見ることができます。
絵の中の動物目線でご覧になってみてください。
伊賀市 ミュージアム青山讃頌舎 穐月大介
✿ 囲炉裏を囲んでお話会
動物にまつわるお話を囲炉裏を囲んでします。
日 時 1月29日(日)、13:30〜14:30
場 所 当館茶室「聴樹庵」
語り部 ひだまり文庫ボランティア
要予約 定員10名 参加無料
✿ 初釜のお茶会(呈茶会)
囲炉裏に火を入れ釜を沸かしてお迎えします。
日 時 1月15日(日)、2月4日(土)
①10時〜、②11時〜、③13時〜、④14時〜
場 所 当館茶室聴樹庵
呈茶代 400円(抹茶、菓子)
要予約 定員 1日4回 各回8名
✿ ギャラリートーク「父の動物話」
父としての穐月 明には動物にまつわる多くの逸話があります。
日 時 1月14㈰(土)、13:30〜
定 員 先着20 名 参加無料、場 所 当館展示室
お 話 (一財)東洋文化資料館靑山讃頌舎 理事長 穐月大介
塀の仔猫(ネコ・クロアゲハ)/穐月 明
青山讃頌舎蔵の自宅の木塀の下から顔を覗かせる子ネコです。自宅にはたくさんネコがいて、大好きだったのでたくさん絵に描いています。
亡くなった時、明(あきら)はネコに看取られているようでした。ネコも明が大好きだったのでしょう。
自宅の猫のスケッチがたくさん残っています。猫への想いがよく伝わります。
犬の仔(イヌ)/穐月 明
妻のためにもらったシバイヌの子でしょう。子ネコのヤンチャさに対し、ちょっとバカっぽいあどけなさが子イヌの魅力です。
橙(ネズミ)/穐月 明
「橙も鼠が抱けば宝珠かな」垣上鶯池(おうち)の句です。ハツカネズミは絵の中で嬉しそうに働いています。明(あきら)の絵に登場する動物は絵の中で生きているようです。
御伽草子 金太郎(クマと森の動物)/穐月明
五十七歳の時これまでにない簡素な線で描かれた御伽草子のシリーズを発表しました。たくさんの資料を収集していて民話・伝承の本がたくさん残されています。クマを投げ飛ばす金太郎のシーンがシンプルに絵本のように描かれています。
牛図(ウシ)/穐月明・霊山寺奉納
作者はかつて狂牛病でウシが大量に殺処分された時、大変悲しんだと聞きます。生き物を食べることに感謝と尊厳を持つことを信条としていたので、ウシがただ殺されることに耐えられない思いを抱いたようです。これは霊山寺に供養のため奉納されたウシの絵です。
ウシは山河の中で平和に暮らしているのでしょう。
明(あきら)はあちこちに行っては牛をスケッチしていたようです。
月夜鎮守社(フクロウ)/穐月 明
ミュージアムうたのいえの隣、明の画室では夏の夜ホーホーとフクロウの鳴き声が聞こえます。大村神社の白蛇の御神木の上で鳴いているようです。知恵と学問の象徴・フクロウは深淵な秘密を知っていそうな目をしています。
雪中竹雀図(スズメ)/穐月 明
雪の朝、竹藪にスズメがやって来ました。元気に飛び回っていても体は寒さで丸く膨らんでいます。明のスズメは仕草に愛嬌があります。体を膨らませたスズメは福良雀(ふくらすずめ)と言い、豊かさや一族繁栄の縁起ものとされます。
青松游亀(カメ)/穐月 明
水面から顔を出したカメのマイペースに頑張ってる感が可愛いく描かれています。緑の松と長寿のカメというめでたい画題です。どこにでもいる日本のカメも得意なモチーフの一つです。
田んぼや川にカエルや亀を取りに行き写生していました。
柘榴(コオロギ)/穐月 明
美味しそうな柘榴ですが、それより繊細なコオロギが見事です。コオロギを生きているように描くことで、静物としての柘榴からコオロギに狙われる生き物となります。
若い時、昆虫採集もよく行っていました。蝶、カブトムシ、クワガタ、セミ、バッタ、キリギリス。季節ごとに採取した昆虫はやはりスケッチしていたようです。昆虫は晩年まで作品に登場します。
龍(リュウ)/穐月 明
「重陽の菊の流れに千代や経し、龍も高きにのぼる大空」
不老長寿の菊の露の流れによって千年も経たリュウも高く昇る大空だ、という意味です。
菊の露には長寿の薬効があると言われます。年を経た威厳を感じます。リュウは水を司ると考えられていました。