北斗曼荼羅の謎解き
北斗曼荼羅(靑山讃頌舎蔵)

北斗曼荼羅(靑山讃頌舎蔵)

此は星座を曼荼羅にしたものです。中国の五行説や天文学を取り入れて平安時代に日本で成立した言われる曼陀羅です。密教儀式などで使われます。
中央に一字金輪の釈迦如来、そのまわりに北斗七星と太陽系の星、その外側の枠にはギリシャ由来の十二宮の星座、一番外側の枠は中国古来の二十八宿の星です。ですのでギリシャ、インド、中国、日本の思想が詰まっていることになります。

少し詳しく見てみましょう。

北斗曼荼羅-中心部分

北斗曼荼羅-中心部分

中心の大きな仏は一字金輪の釈迦如来と言われます。中心にあるので北極星のようですがそういうわけでも無さそうです。釈迦の頭の上に右から日、水星、月、釈迦の足下に右から木星、土星、金星、枠の一番下に右から羅喉星、火星、計都星で九曜と呼ばれる太陽系の星です。ただ羅喉星は架空の星で日食や月食を起こす見えない星、計都星は彗星と言うのが一般的のようで、どちらもインド由来で恐ろしい姿をしています。弓を持ち戦闘的な姿の火星と共にいささか不吉です。
残りの七つの星が北斗七星です。ただし一つ余分に小さな伴星が描かれています。

北斗曼荼羅解説

北斗曼荼羅解説

その外側は西洋占星術でお馴染みの黄道十二宮の星座です。黄道十二宮はバビロニア起源と云われますが、ギリシャからインドに伝わり仏教と共に中国に渡り、日本には密教と一緒に平安時代に入ってきたようです。魚座、水瓶座、蠍座、天秤座などほとんど同じですが、少し変化している物も有ります。磨竭(マカラ)と有るのは山羊座です。山羊座は上半身山羊で下半身魚ですが磨竭は海魚として描かれています。また乙女座は双女と二人になり、双子座は男女となっています。どこかで混ざったようです。

一番外側の二十八宿は中国の星名で星座ではありません。白道(月の通り道)上の28個の恒星です。

展示の北斗曼荼羅は江戸時代に作られた物で古いものではありませんが、色んな国の色んな話が詰まった不思議な曼荼羅です。謎はまだまだありますが後は皆さんで調べてみて下さい。