流水頌歌/ながれのうた— 穐月 明 最後の思い —は終了しました。

伊賀市 ミュージアム青山讃頌舎 秋の通常展
令和5年 10/21㊏~12/25㊊
火曜日休館

 穐月 明は晩年、風景画の作成に注力します。山間から海に至る水辺の風景を、ただ美しいだけではない、人と自然の営みとして描き「流水頌歌」として発表します。
そこには生涯仏教を探求し続け到達した、自然と調和した暮らしへの願いを強く感じます。力の衰えを感じながらも本当に描きたいものを追求した最後の個展の再現を試みました。

右:平成14年(73歳)個展「穐月 明展/流水頌歌」パンフレット
(そごう横浜店)

左:平成20年(79歳)個展「穐月 明展/流水頌歌」パンフレット
ギャラリーつばさ(富山県氷見市)

流水頌歌 
「川の源流から、人々の生活する村・街を経て河口までたどって見ると、人間と自然や生き物との交流の虚偽や眞実や祈りが隠す所無く見えて来ます。”逝く者は斯くの如きか、夫れ昼夜を舍てず”と古人も申された様に、流水も人の一生も全て大海原へと流れ去ります。或る時は無上のやさしさと安らぎと悠々たる大らかな楽しさを、又或る時はきびしさと無常を感じさせ乍ら、それも皆大海原で雲となり風に運ばれ雨となり川となり流れて逝きます。この生き方こそ自然さでこの調和に逆らえば不自然で人自身へと返って来る。この眞実の法に帰依し称へる頌歌を墨と筆に託しました。」
穐月明

穐月明はこの挨拶文で、自然と人のありのままを描こうとした、と書いています。また自然と共に生きるにはその厳しさ理不尽さも受け入れなくてはならず、それを受け入れなければ人自身に返ってくるとも書いています。作品を見ると美しい自然と共に村や、漁船、汽車など人の暮らしが描かれています。この位の暮らしが一番幸せなのだと言っているようです。自然をねじ伏せ技術でカバーしてきた現代文明には大きな危険が伴います。温暖化や都市災害、感染症など今考えるべきことは多いように思います。

イベント

☞ 呈茶「紅葉の茶室」

開催日  11/5㊐、12㊐、18㊏ 1日各4回
定 員 各回12名 呈茶代 400円 ◎要予約

☞ ギャラリートーク「穐月明 最後の思い」

開催日 11/26㊐、12/10㊐ 予約不要(観覧料必要)
解 説 学芸員 穐月大介

関連イベント

☞ 青山観光振興会歴史探訪ウォーキング
  「阿保宿とあおやま川上湖を訪ねて」

開催日 10/21㊏
お申し込み  青山観光振興会

☞ いがぶら「秋の木の実をいただく」

開催日 10/22㊐
*詳細は「いがぶら秋」の冊子、HP等

展示紹介

穐月明「流水屏風」

穐月明「四季流水貼雑屏風」

展示室

穐月明「渓谷釣人」

穐月明「秋色瀧水」

展示室

穐月明「山家鯉のぼり」

穐月明「朝陽航跡」

展示室

流水頌歌挨拶
「才乏しい私が、代々寺だった家に育ちながら、唯一今得たものは、この風土の中に居られる神と、その中で生きて逝く道を示して下さる仏の教えでした。四季の中の山と、川の流れと、海。其処に生きる様々なもの、本当に美しい。それを賛える水墨画を共感して観て下されば幸甚です。」
穐月明

穐月明は愛媛県東予の寺の末っ子として生まれました。僧侶になることはありませんでしたが、幼い頃から仏教に馴染み、生涯仏教を研究していました。その中に、悟りの境地で見れば世界は仏の世界である、という見方があります(十牛図8と9)。また、日本では神と仏は相補的な存在と考えられていました。挨拶にもあるように作品は全て神仏の世界を描いているとも言えます。

展示室

穐月明「青山流水」/上

穐月明の書斎脇棚の石/下
書斎の机には脇棚が置かれ、自然石、石像、化石など様々な石が並んでいました。

展示室

穐月明「𧮾聲是廣長舌」
「𧮾聲是廣長舌」の讃
溪聲便是廣長舌(渓流の音は正に仏の説法であり)
山色豈非清淨身(山は清浄なる仏の姿に他ならない)
夜來八萬四千偈(絶え間なく仏の説法が聞こえる)
他日如何舉似人(この感動を誰に伝えられよう

        蘇東坡 悟道偈
中国北宋の文人蘇東坡が禅の境地を詠った漢詩です。
渓流の音は仏の声、山は仏の姿というのは一貫して穐月 明が風景画で描こうとしたテーマです。

展示室

書斎の本
書斎の机の上には和綴の仏教書が積んでありました。
仏教はライフワークとしてずっと勉強していた様です。
和綴本を好んだのは歳をとって重い本がつらくなったからだそうです。

展示室

穐月明「二見ヶ浦 夫婦岩」/上

書斎の盆石・貴石/下
書斎には盆石や貴石、拾ってきた石ころを置いた棚がありました。拾った石には採取場所が書いてあるものもあります。

穐月明「牡丹」

展示室

画室に残された画材
墨、筆、紙はかなりこだわって使っていたようです。
画材は技法と密接に関わっており、適切な画材を見つけたことも表現技法研究の成果です。
硯や絵皿は比較的普通のものを使っています。

穐月明「石仏紅葉」

穐月 明の印
印は遊印も入れると百以上ありました。

[主催•お問合せ]公益財団法人伊質市文化都市協会80595-22-0511
[共催]伊賀市、[協力]一般財団法人東洋文化資料館肯山讃頌舎
[後援]伊賀市教育委員会・名張市教育委員会