2024/1/14【二館合同企画】記念座談会「俳句が先か、絵が先か」

最初の関連企画として芭蕉翁記念館との
二館合同記念座談会「俳句が先か、絵が先か」
が開催されました。

両館の学芸員がそれぞれの視点で今回の展示について語り合いました。
 【講師】 芭蕉翁記念館学芸員 髙井悠子
     伊賀市 ミュージアム青山讃頌舎 学芸員 穐月大介
 【日時】 1月14日(日) 13:30〜
 【場所】 ハイトピア伊賀5階 大研修室

初めに高井先生が芭蕉翁生誕380年記念での両館の展示についてと芭蕉についてのお話をされました。

私からは水墨画家穐月 明の紹介と穐月明と俳句・文芸の関わりについてお話しさせていただきました。

今回のコーディネーターで一緒に座談会をしていただいた芭蕉翁顕彰会 学芸員 髙井悠子先生と伊賀市 ミュージアム青山讃頌舎 学芸員 穐月大介

私からは四季流水貼雑屏風に込めた四季への思い、流れの意味を、高井先生からは『笈の小文』の芭蕉の俳句に対する決意や文化人が共通認識としていた老荘思想についてお話しされ、それらが芭蕉にも穐月 明にも共通認識としてあった事などを話しました。

「木のもとに」の俳句は芭蕉が「かるみ」を模索した俳句として知られ、お花見でご馳走が桜の花びらで覆われたユーモアを軽やかに詠んでいます。一方「桜雀」は画室の窓を開くと目の前に咲いている満開の枝垂れ桜に雀と蝶が飛んできた愛らしい作品です。
どちらもそのままの意味で鑑賞しても良いのですが、「木のもとに」の句には西行の「木のもとに旅寝をすれば芳野山花のふすまを被する春風」の和歌を想起ささせ、「桜雀」には蝶は雀に食べられ桜もやがて散る、それゆえに美しいという「仏教的無常感」が表されています。

そんな話を対談形式でしているとあっという間に時間は過ぎ「初しぐれの」の句はお猿さんの感想で終わってしましました。

続きはコラボギャラリートークでお話しできるかもしれません。