「福 朗」上田 保隆展は終了しました。

 令和5年 6月2日(金)~7月2日(日)

上田保隆(かみた やすたか)は伊賀の最奥の山村・霧生でフクロウにこだわり描きつづけた画家です。
今回の展覧会は生前考えていたと言われる「夜の森」のようなイメージで展示しました。フクロウのいる神秘的で美しい夜の森のをお楽しみください。

こころの森の彼方の「福朗」
作者は伊賀の野山に育ち、 フクロウのような存在であることを願い、 自己の存在と心の葛藤、 伊賀への思いをはせ、 その心象と存在をフクロウに置き換えていた。
フクロウを描く想いをこう言っている。 「暗夜の森で黙然と瞑想し、 はたまた、 全身集中して一点を凝視している姿態を」フクロウの姿こそが自己の生きざまのようになっていた。
「フクロウよ、 おまえは何者か、 何をおもひ、 何を待っているのだ」問いかけながら。思うこと、 感じたことを、 ただひたすら自分流に、 自我と語り、 描いてきたフクロウ。
「梟よ。 おまえは今おれの心の森にしっかりと棲みついている」
今もフクロウは樹に潜み、 全体を見渡している。
上田慎二

[GALLERY TALK]

「上田保隆から与えられたこと、教えられたこと、そして」
アトリエや前田教育会館での教室指導から、 三重二紀会、 伊賀名張における美術とのかかわり、 指導を受けたことや付き合いから知る上田保隆氏の人間性を語る。
日時 6 月 10 日㊏ 13:30~
会場 伊賀市ミュ ー ジアム 青山讃頌舎
講師 山本博ー(三重県洋画協会会員)
定員  20名(予約制)

「フクロウヘの思いと絵を描くたのしみ」
フクロウ」への思いや作品の特徴、 そして教育者として 作者が取り組んだ、 児童・ 幼児の造形研究から表現までを 展示作品と共に語る。
日時 6 月 18 日㊐ 13:30~
会場 伊賀市ミュ ー ジアム 青山讃頌舎
講師 上田慎二(二紀会準会員)
定員  20名(予約制)

[お申込み・受付]
5月20日(土)午前10時から
青山ホー ル 電話0595-52-1109にて申込受付開始

ドローイング作品

緑滴る明るい庭から展示室に入ると上田保隆の愛嬌のあるフクロウがお迎えします。

展示室
上田保隆「木霊」/油彩

作品にはどこかにフクロウが隠れています。隠れているフクロウを探しているとどんどんフクロウが増えていきます。

上田保隆 陶芸作品

フクロウにこだわって制作を続けていた作者は陶芸作品でも梟を作っています。

展示室

フクロウを探しているるといつの間にか夜の森に迷い込みます。

上田保隆「刻」/油彩

150号の巨大な作品も並びます。

上田保隆 陶芸作品
上田保隆「忍びの思いが」/油彩

今回はフクロウの顔にこだわっています。

展示室

夜の森はフクロウがいっぱい

上田保隆 陶芸作品
上田保隆「無常」/油彩
展示室
上田保隆「渓声」/油彩

さらに森の奥に・・・。

上田保隆 陶芸作品
上田 保隆

上田保隆(かみた·やすたか) 1937~2019
1937 青山町霧生に生まれる
1958 鍋井克之・森本健二に師事し、池田市に住む。
1961 関西学院大学文学部美術科卒業
二紀展初入選、褒賞受賞以後毎年入選
1964 二紀会同人推挙
1968 司馬遼太郎の小説「梟の城」に共感し、伊賀者の化身として泉を描く。
1975 エジプト・モロッコを旅し、画境を深める。
1978 20 年ぶりに伊賀に帰住し、生家をアトリエにする。
1983 第37 回二紀展同人賞
1985 三重県展最優秀賞
1986 二紀会会員推挙
1996 50 周年記念二紀展会員賞受賞
1997 第51 回二紀展宮永賞受賞
2000 平成12 年度三重県文化奨励賞受賞
2016 名張高校に創立100 周年記念で作品寄贈
2017 池田市友好都市オーストラリア・ローンセストン市に作品寄贈(ウォンバット寄贈の返礼として)。
2019 年2 月逝去
主な展覧会出品:梟とペルソナの世界展(グランドギャラリー)・フクロウ悠遊展(Gallery Mammon) ・凝のこころ自然流(画廊ぶらんしゅ)・足代義郎と三重の美術50年展(三重県総合文化センター)・ニ人展[(中村映弥] (ギャラリーいしかわ)・伊賀美術作家展(ハイトピア伊賀他)・三人展[宮田保史・三上利秋] (茶屋町画廊他).
アートで創る伊賀の未来展2019 [遺作出品]・2022 年上田保隆遺作展(伊賀市文化会館)その他個展多数開催
歴任:社団法人二紀会会員/二紀会三重支部長/日本美術家連盟会員/日本教育美術連盟名誉理事/ NPO 法人三重県洋画協会会長/大阪成躁女子短期大学名誉教授/全日本こども美術大賞審査委員/三重県展審査員・運営委員/伊賀市民美術展覧会審査員・運営委員

[主催](公財)伊賀市文化都市協会(指定管理者)
[共催]伊賀市
[後援]伊賀市教育委員会、名張市教育委員会
[協力](一財)東洋文化資料館靑山讃頌舎